「時の行路」映画 製作・上映推進会議のブログ

このブログは、田島一さんの『時の行路』『続 時の行路』『争議生活者』(新日本出版社)原作の映画「時の行路」に関するブログです。映画「時の行路」ついに完成しました。スタッフ 企画・中西繁 音楽・池辺晋一郎 脚本・土屋保文・神山征二郎 監督・神山征二郎 2020年公開。全国で30万人動員目指して頑張りましょう!                          公式ホームページは、https://www.tokinokouro.kyoudo-eiga.co.jp

「対談 現代の争議生活者を語る」より 3

田島 まだおうかがいしたいこともあるのですが、私ばかり

お聞きしましたので、いちおうの区切りにしまして、今度は

山口さんの方からいかがでしょう。

山口 私は田島さんの『争議生活者』、最初に三作目を読んで

それから一、二と読んだのです。たまたまそういうふうに。

読後の感想はいろいろとあるのですけれども、小説の筆者が

小説の中に登場してくるわけですね。これになるほどと思いました。

よく映画に監督がちょっと出てくるのと似ていますよね。面白い

というか、企画のユニークさを感じました。特に物語の中で、著者

がなぜ小説を書くのかを問われ、著者が書く人の気持ちを説明

しているのですね。納得させられました。先日、NHKのインタビュー

番組に松本幸四郎さんが出演していました。歌舞伎をやる目的は、

何のためにやっているのですか、との質問に対して幸四郎さんは

「歌舞伎は観客に観てもらって希望を与えたい」というのです。

小説『続・時の行路』の中で作者が登場し、「現実がどんなに

厳しくても、どこに希望を見出すかを探り、小説は読者を幸せに

しなければならないんです」と語る場面がありますね。あっ、小説と

歌舞伎と一緒ではないかと驚きました。作家の田島さんと歌舞伎俳優

松本幸四郎さんが言っていることが一緒なので、なるほど、文学

とか芸術というのはそういうものなのだ、と考えさせられました。

今まで全く考えもしなかったことでした。

田島 ありがとうございます。(続く)