「時の行路」映画 製作・上映推進会議のブログ

このブログは、田島一さんの小説『時の行路』映画製作・上映推進会議の事務局からの情報をお届けします。すべての労働者が人間としての誇りと希望の持てる働き方ができる社会をつくるために、一人ひとりがプロデューサーとして参加していただき、多くの人たちの力で映画化を実現させましょう。

「対談 現代の争議生活者を語る」より 10

田島 経営陣の間の対立ですか。

山口 中期事業計画が通常ですと三月頃に出るのが二カ月近く遅れて

発表になりました。通常の十一月の経営協議会も二カ月遅れとなりました。

経営内部ですぐに一致できなかったのではないかと言われています。

また、聞くところによれば、一年以上前のことですが、航空局の高官

の話として、「JALは未だに稲盛さんの影響を受けているようですが、

稲盛さんとの関係がなくなったら、また変わるでしょう。いろいろな

意見が内部にあるようですね」という話があったそうです。実際に六月の

株主総会で、経営企画本部長が役員からはじかれたりもしました。

最近も植木社長のことについて雑誌に批判的な記事が出ているようです。

こうした記事は経営内部が一枚岩でないことの表れではないでしょうか。

争議団は国会にも出向いて取り組んでいます。ある場所で小沢一郎さんが

JALはまだやってんの」と驚いていました。また自民党議員秘書からも

「どうなっているんだ」という話も出てきます。今、乗員組合は、事業計画

パイロットの人数問題で具体的な数値を取り上げて交渉をしています。

経営が判断すればすぐにでも解決の道が見えてきます。そこの決断ができて

いないですね。植木社長が。

田島 現社長は、パイロット出身の方らしいですね。

山口 植木さんは私の後輩にあたります。彼は社長に就任してから今年で、

丸六年やったことになります。一般的にはそろそろ交代の時期なのかもしれません。

彼は会見などで「会社経営と飛行機の操縦は同じ」などと発言していますが、

実際はどうなのでしょうか。もしそうであるなら、パイロットは常に安全の

リスク管理をしているわけですから、会社経営でも争議などという経営のリスク

は排除すべきではないでしょうか。

田島 お客さんを載せて空を飛ぶ会社が、社会的争議を抱えているというのは、

常識的には大きな経営リスクとなりますよね。

山口 その通りだと思います。昔から日本航空では、経営企画室や営業本部、

労務出身者などが、社長のイスをねらっているわけですけれども。現在

パイロット出身の社長が長く続いています。元々は稲盛さんが、安全重視の

企業イメージを狙ったのだと思いますが、毎年大幅な利益が出ているから

ではないでしょうか。大幅な利益が出る理由があります。破綻で借金を棒引き

したからですし、原価償却費についても、それまで百億円だった評価額を

五億円程度にしちゃったりしていますから、利益は出ているわけです。法人税

なんかも免除されてきました。そういった状況で破たん後の経営は行われて

きました。経営内部の抗争は昔からありましたけれども、今の状況では表に

出にくいのでしょう。実は利益の出ているいまこそ解決すべき時なのですが、

先ほども触れましたが、会社が排除したい人たちは、みんなもう六十を過ぎて

いるわけですから、会社にとって、今が解決のタイミングではないでしょうか。

しかも解雇の過程での管財人の不当労働行為が、最高裁によって憲法違反

と断罪されたわけですからね。(続く)