映画「時の行路」完成を迎えて---神山監督より
映画「時の行路」は、神山監督30作目の作品です。
社会派ヒューマニズム映画の第一人者・神山監督が参加されて、映画作りは、一気に進みました。
映画製作費、シナリオ検討、製作体制と、各地の推進会議の設立・拡大と課題は山ほどあれど、監督の静かな中にも毅然とした号令の下、「2019年5月クランクイン」に向けて、山は動き出しました。
全国の推進会議の皆様と共に崖を登り、山を越え、予定通り5月末クランクインし、9月6日,9日の初号試写会準備をしている今が夢のようです。
編集作業を終え、初号試写会を目前にした神山監督に、映画への思いをしたためていただきました。
閉塞感の強い時代です。
映画作家として、そこにどんな映画をプレゼント出来るのか、といつも考えていました。眠れない日もあるほどでした。
「時の行路」への参加が決まってからも、同じ自問を繰り返してきました。
構想7年、多くの方々が望んだ映画化がなり、とうとう一つの作品として完成しました。
人間が生きている姿を描くのが映画の仕事です。
生きていれば苦しみもあり、悲しみもあり、また歓びもあります。出演の俳優、製作スタッフがうち揃って、それを描きつくしてくれました。
作者なのに、目頭が、胸が熱くなるのを止められません。
それは、登場人物たちが本当に生きているからです。
こんな時代や世の中であってはならないと語りかけてくるからです。
海猫の飛翔のように、この映画が大きく、広く羽ばたくのを願っています。
2019年9月吉日
神山 征二郎