労働問題に取り組む若者グループ「エキタス」が東京・新宿
駅前で行った「すべての働く人たちのための新宿アルタ前大街宣」
(17日)。その時のお二人のスピーチを紹介します。
〇働く人の命と健康守る法律を~過労死したNHK記者佐戸未和さんの
母親 佐戸恵美子さん~
NHKで報道記者をしていた娘の美和を過労死で失いました。今も
娘を守れなかった後悔と喪失感で苦しんでいます。
亡くなる直前1か月の時間外労働は209時間。その前月は188時間
でした。上司は、”記者は時間管理ではなく、裁量労働で、個人
事業主のようなもの”といって、まるで美和が悪いようにいいました。
200時間もの残業を野放しにしたのは、制度を乱用した労務管理の
怠慢による人災です。ところが、NHKは”過労死は労災認定されたが、
自分たちは法律違反はしていない”という考えで、本当に反省している
のか疑問です。
みなさん、生きることができなかった未和の分まで、生きてやって
ください。
娘はかけがいのない宝、生きる希望でした。私たちと同じ苦しみを
背負う人が二度と現れることのないよう、働く人の命と健康を守る
法律をつくっていただきたいと切に願っています。
〇高プロ先取りの働き方した夫~小児科医の夫が過労自殺 中原のり子
さん~
参院の中央公聴会で、二度と過労死をおこさないでくださいと訴え
ました。ところが、自民党の渡辺美樹議員からは、”週7日休めばいいのか”
というような侮辱的な発言が出てきたわけです。
私の夫は、19年前、総合病院の小児科部長になって半年後に、病院の
屋上から投身自殺しました。44歳でした。
かつて、「小児科医は自分の天職なんだ」といっていた夫は、亡く
なる前には「馬車馬のように働かされている。病院に搾取されている。
病院に殺される」とつぶやいていました。
高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)は、労働時間概念を
取っ払った固定給です。私の夫も、高プロの先取りのような働き方をして
いました。
「過労死はあってはならない」ということで、4年前に過労死防止法が
できました。高プロは、過労死防止法違反です。みなさんの健康、命を
守るために、高プロはあってはいけません。