短歌 現代のプロレタリア文学 大津留公彦
民主文学 2018年3月号に掲載されていました。
ここに、転載させていただきます。
年末に「争議生活者」読み終えて八年前の日比谷公園思う
洋介の闘い続ける根っこには「助けてくれる人が居るから」
人間っていいものだという夏美の述懐娘に残る亡くなりてのちも
届くはずのない妻のアドレスに「最高裁では必ず勝つからね」
「派遣切り」許してならじ若者の人生行路を照らせ灯台
「現代のプロレタリア文学」か「争議生活者」「蟹工船」あり「党生活者」あり
同時進行の争議小説嘗てありや「短歌ドキュメント」我も目指さん
最高裁は決して最高の判断場所ならず最低裁判所と揶揄はされども
いすゞ自動車黒字予想なれど派遣切る車メーカーに矜持はなきか
映画「ハケン」に期待をしよう我も又権利少なき派遣労働者